02.高山病の体験

山といえば高山病がつきものであるが、主宰も高山病になったことがある。
それは、ツアーで富士山に行った時のこと。
登山口の2500m地点で1.5時間ほど体を慣らして3100mにある山小屋を目指したのであるが、3000mを超えたあたり
から頭痛が出てきて山小屋で仮眠をしても治らず、山頂を目指す気力がだんだんと失せてきたのである。
20名ほどの団体行動なので、このまま山頂を目指してはさらに悪化し迷惑をかけると思い、23時頃出発点呼で登頂断念
をリーダーに告げたのであった。
高山病は空気の薄いところで発症するが、その薄い空気に体が慣れてしまえば何ともなくなるものである。酸素濃度が
低くなるからというのは厳密には間違いで、富士山頂の空気中酸素濃度は約21%で地表と変わらない。問題は高い所は
気圧が低いので空気の密度も低くなり、単位体積当たりの酸素の絶対量が地表よりも少なくなるということ。
さて富士山山頂の空気は地表と比べてどれほど薄いのだろう。
地表が1気圧(1013hPa)とすると、富士山頂は約0.62気圧(630hPa)といわれているので、単位体積当たりの酸素量は
地表を100%とすると富士山頂は62%、すなわち地表の酸素濃度が21%なら富士山頂は13%相当になる。
酸欠では酸素濃度14%以下では致死レベルになるのでこれでは無事でいるほうが不思議。ちなみにエベレスト山頂では
約 0.3気圧なので、地表の約3分の1何と約 6.3%相当しかない!
ご存知のように薄い空気でも体が慣れてしまえば大丈夫。主宰も朝まで寝ていたら頭痛も治り元気一杯となった。さす
がにそこから山頂を目指す訳にもいかず、山小屋で皆が戻るのをただひたすらに待ったのであった。
高山病は人によって強い弱いがあるようで、他のメンバーが何ともなかったところを見るとどうやら主宰は弱い部類ら
しい。それも3000mというのがどうも境界になっているようである。
なお、それ以来富士山には登ろうと思わない。
それは高山病が怖いのではなく「富士山は登る山ではなく眺める山」と知ったから・・・・


富士宝永山山頂







































宝永山から山頂方面
荒涼とした景色です






























山荘から山頂方面を見上げる。
主宰はここで皆が戻るまで待機。






























大砂走りで下山。
砂埃を巻き上げるのでゴーグルとスパッツは必需品。
































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